ドローンとは無人航空機の総称であり、なぜ流行ったのかは、技術の進化と低価格化、動画共有の一般化が答えです。
詳しく書きます。
■ドローンって何?
巷を変に騒がせたドローン。ドローンとは、自立型の機械を指します。ヘリ型の他、飛行機型もありますし、空に限らず海を自動で潜っていくのもドローンです。
大部分は、無人で飛ぶ航空機を指しています。狭義では自律飛行であるため、航空機に飛行順をプログラムするなどして、自律飛行させるものでしたが、昨今の報道でラジコンも混同されてドローンと呼ばれており、広義には操縦者が地上からコントローラーを使って無線操縦する形式の航空機も含めて、ドローンとなっていくでしょう。
ドローンは、広く「無人の自立型の機械」を指す単語ですから、飛行機形態も、(シングルローターの)ヘリコプター形態も、そして流行りのマルチコプターも、自動車型も、潜水艦型も含めた総称です。
自動車で例えれば、「自動車」「車」と言うレベルに相当するのが「ドローン」であり、「自家用車」「セダン」「10tトラック」など自動車の中の形態を表す単語に相当するのが「飛行機」「ヘリ」「マルチコプター」なのです。
しかしながら、近頃はマルチコプターが流行り、これによる事件のニュースがたくさん流れたため、「ドローン」=「マルチコプター」との認識が一般的になりつつありますね。
恐らく、飛行機やヘリコプターは元々馴染みがある単語で、マルチコプターだけは「なにあれ?」となる得体の知れない形態だったのも一因かと思います。
そうそう、マルチコプターの定義ですが、ヘリコプターの一種であり、ブンブン回るプロペラが複数あるものを指します。「マルチ(=複数)なプロペラのヘリコプター」、略してマルチコプターです。
ではなぜマルチコプターが急に流行ったか?に進みます。
■変に流行ったのはなぜ?
たくさんの理由があります。
1つはマルチコプターの高性能化と価格破壊。実は昔からあった飛行機やヘリコプターは最低何十万円もする高価なもので、操縦も大変難しいものでした。その習得には、まずはパソコンを使ってシミュレーショントレーニングをし、次は自動車の免許教習のように先生と一緒に練習し、やっとひとり立ちするような過程が必要なものでした。
いきなりひとりで飛ばしても、ものの数秒で墜落し、高価な機体は大破です。このため、余程の愛好家ぐらいでした。
しかし、近年のマルチコプターの進化は目覚ましく、10万以下で自動ホバリング(その場で止まること)が出来るものが買えるようになりました。
これは、スマートフォンの進化が影響しています。スマートフォンにはGPSセンサや電子コンパス、加速度センサなどが積まれており、電話機の傾きや位置が計測できますよね?
近年のスマートフォンの流行は、これらの位置と傾きを測る技術を飛躍的に進化させ、同時に大量生産によって低価格化させました。
そして、マルチコプターにも実は同じ技術が使われており、マルチコプター自らが、自分が飛んでいる位置と傾き、方角を測りながら、自分で安定して飛ぶようになりました。GPSにより、指定の位置に自動飛行したり、緊急時は飛び立った場所に帰ってくることも出来るようになったのです。それも安価に。
こうして「簡単で安い」という宣伝文句でマルチコプターが売り出されると、これまで飛行機やヘリコプターに躊躇していた方々が飛びついていったのです。
2つめの理由は、動画共有の一般化。
今や日本ではYoutubeは立派なメディアとなり、誰でも動画に触れるようになりました。そして誰でも動画投稿することができるようになり、次第に「奇をてらった動画を作りたい」「綺麗な動画を観てほしい」と言う方々が増えたのです。
そんな時にマルチコプターが低価格化し、空撮映像が簡単に撮れるようになると、映像制作の業界からもカメラとしてマルチコプターを採用する流れができたのです。
他にも理由はありますが、この2つにしておきます。
こうしてマルチコプターが流行るきっかけができました。しかし、墜落事件が変に起きたのは皮肉にも「簡単で安い」が完璧ではなかったことが一因です。
「簡単で安い」とは言え、昔のヘリコプターよりも簡単なだけであって、誰でも扱える家電のレベルではありません。
まだまだセンサーは未熟なのです。スマートフォンでもナビアプリで自分の位置がズレていたり、時間がかかったりしますよね?それはセンサー精度が悪かったり、磁気の影響でたまたま狂ったりするからなのです。
マルチコプターにもそれは起きます。自分の位置を誤って認識し、正しくない方角に勝手に飛んだり、傾いていないのに傾いていると判断して宙返りし、墜落したり。まだそんなレベルの操縦補助技術なのです。
これを理解せず、家電レベルに勘違いし、簡単で誰でも扱えると思って、お子ちゃまや遊び半分が飛ばし、墜落事故を多発させたのです。
マルチコプターにおいて、GPSや傾きセンサーに異常が出た時は、それに頼った機能をオフにし、手動操縦にすることができます。
当然、昔からのヘリコプターと同じ状態になりますので、そのモードでは高度な操縦技術を要します。
しかし、センサーは異常が発生するものとして考えるべきで、センサーオフでも飛ばすことができる人が楽をするための補助技術なのです。
法整備、ルール整備が進められていますが、こういった状況や製品特性を伝えることが大事だと考えています。
正しく使えば、大変素晴らしい技術です。見れなかった景色の撮影、行けなかったところへの到達がローコストで実現できるのです。
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空撮映像作家コジロウ
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