有名バンドのライブDVD編集の仕事


ライブイメージ

ライブイメージ

5年ほど昔、国内の有名なバンドのツアーDVDの編集をしたことがある。
若い女の子に人気のビジュアル系バンド。

ツアー密着で撮影された膨大な映像データを受け取り、そこから、DVDに収録すべき良クリップを抜き出してマークし、ディレクターに渡す仕事だった。

ステージ上と降りてからの態度の違い

面白かったのが、いわゆるオラオラ系キャラのボーカルのステージ上と降りてからの態度の違い。

撮影データは、密着系なので、ライブ会場に到着後から楽屋、リハ、ライブ本番、ライブ後、打ち上げまで全て記録されていた。

オラオラ系のボーカルさん、ステージ上以外は全て超腰が低い良い奴だった。

有名なボーカルなので、私自身も曲を聴いたことがあったし、オラオラ系で「おい、お前ら着いてこれんのかぁ!」とステージで演っている姿はイメージ通りだった。
しかし、会場に着いたらスタッフに挨拶し、ステージに上がる前には共演者と仲良く談笑。
ライブ後もスタッフに頭を下げて楽屋へ。

そんな「イメージと違う」映像を除外していくのが私の仕事だった(笑)
オラオラ系のカッコいいボーカルの姿だけにマーキングしていき、「お恥ずかしい姿」を外す。

役得なんだろうか。
個人的には、そんな人間らしく丁寧な、本当のボーカルさんのほうが好きだ。
しかし、ディレクターの考えや、本人、事務所などの設定したキャラがあるから仕方あるまい。

映像編集にはそんなこともある。

過酷。オフ日の映像抜き出し

ツアー密着映像のため、ライブ本番の映像だけではなかった。
オフ日の映像である。

一日中、クルーザーで釣りに出掛け、たいした釣果のない日の映像。
完全に素人がワイワイやっているだけのゴルフ映像。

ファンにはたまらない映像だろうが、私には過酷(笑)。
ライブ映像は、純粋にカッコいいし、ファンでなくとも楽しく観ながら編集できた。

が、知り合いでもなんでもない兄ちゃんたちの釣りやゴルフ映像をひたすら見続けて、有るか無いかもわからない「おいしい映像」をマーキングするのは、本当に過酷だった…

DVDやMVなんかで、チラッと入るオフ日の映像。
メインじゃない割に編集は大変なんですよ〜(精神的に)

まさかの大阪出張

当時は川崎市住みでITのサラリーマンをしながら、編集作業もしていた。
突如、サラリーマンのほうの仕事で1週間大阪行きが入ってしまった。
外付けHDDに大量に入ったデータを使い、iMacで編集作業をしていたが、急遽、MacbookProに一部を移し替えて、持ち出す事態に。
新幹線のぞみ車内でMacを出し、イヤホンをして、ひたすら抜き出し作業をした。
新幹線でも仕事をするビジネスマンに紛れて、映像編集マンがそこには居た。

エロカメラマン

私は編集(抜き出しだけ)だけを担当しており、撮影自体は全く関わっていない。
複数のカメラマンがそれぞれ撮影したデータが来て、それを編集する。
その中に、エロカメラマンがいた。

そのカメラマンが撮ったデータは、ライブに来た観客の胸元を撮ったものが多かった。
カメラマンの好みが出るなぁ〜と編集しながら感じた。

なお、誤解の無いように補足すると、どうやらそのバンドのファンは、水着などで参加し、胸元にバンド名を書いて応援するのがしきたりのようだった。
だから、しきたりを守ったファンの胸元をアップにするのは、エロでもなんでもなく、正しいカメラマンの撮影だった。
(が、あまりに胸元ショットが多かった)

しきたりを守ったファンのイメージ例(本題のバンドとは無関係)

しきたりを守ったファンのイメージ例(本題のバンドとは無関係)

おわりに

先日、Zepp名古屋の前にある店で飲み会があり、ちょうどZeppで、そのバンドのライブがあり、女の子が溢れかえっていた。
その光景をみて、編集作業当時を思い出した。

ライブDVD、そんな作業を経て作られています。

コジロウ