ドローンの150m高度規制は、対地高度であることに注意せよ!


高度150m以上のドローンの飛行は国土交通省の許可が必要

改正航空法によって、ドローンの飛行ルールが決まっている。
その1つに「150m以上は上げてはいけない。あげる場合は、国交省の事前許可が必要」というルールがある。
http://www.mlit.go.jp/koku/koku_tk10_000003.html

先日、山の頂上から風景撮影のためにドローンを飛ばし、最大450mの高度に達する撮影を無許可で行い、書類送検となった事件が発生した。
この事件の事実は不明であるが、気にするべきなのは、山の頂上などの標高の高い場所からドローンを離陸させ、水平移動していく場合の高度である。

「最大450mの高度に達した」と聞くと、地上0mからグングンとドローンを上げていって、450mも上げてしまった無謀者のように思える。
しかし、そうではなくて、標高が元々高い場所まで登ってからドローンを離陸させ、水平移動させた結果、地表との距離が思っていたよりも開いていた、ということがあり得る。

もう少し説明する。

ドローンの真下にある地面からの高度で考える

国土交通省の飛行ルールをページにおいても、高度の図示があるが、山のように地表が隆起している箇所では、飛ばして良い高さのラインも上がっており、山肌からの高度であることがわかる。

国土交通省の図における山間部の考え方(http://www.mlit.go.jp/koku/koku_tk10_000003.html)

それで、普段生活するような平らな地上で飛ばす場合は、操縦者と地表の高さがあまり変わらないので、水平移動しても上がり過ぎてしまうことはあまりない。
許可を受けていない場合、操縦者(離陸点)から150mを超えずにあげる操作をすれば問題ない。
テレメトリーで高度が確認できる場合も、離陸点からの高度が出るので、それを確認しておけば良いだろう。

平らな地表での対地高度。操縦者から150mを超えないように気をつければ良いので分かりやすい。

山頂から水平方向に飛ばすパターンは、山肌との対地高度に注意する

次に、ドローンを持って山に登り、頂上から飛ばすパターン。
これが間違って上げてしまう可能性のあるシチュエーション。
頂上から飛ばして、谷側に向かって水平移動させる。

非常に抜けの良い綺麗な風景が撮れるシチュエーションだろう。

が、この場合、操縦者はドローンの高度を上げる操作はしておらず、水平に移動させただけのつもりだ。
しかし、山の地面が下がっていっているので、ドローンから見た対地高度はグングン上がっていっている。

その結果、予想以上に高度が上がっていることがある。
テレメトリーでも、離陸点からの高度を示している高度計だと、水平移動となっており、高度は上がっていない。

山で飛ばしている場合の対地高度の変化。

このようなパターンでも、なだらかな山であれば、150mは超えにくいかもしれない。

断崖絶壁があるパターンが特に注意すべきシチュエーション

途中に断崖絶壁があり、急激に地面が下がっていると、150mを超えてしまうかもしれない。
例えば、山頂で離陸させて50mまで上げて景色を撮った後、水平移動させていったら、いつの間にか断崖絶壁を超え、105mも地表が下がっていた場合。
操縦者としては、山頂で上げた50mの高さのまま飛ばしているつもりだが、対地高度が155mになってしまっている。

断崖絶壁で150mを超えてしまうパターン

こういうパターンで、150m超えになってしまうことは想定される。

かなり簡易な例で説明したが、対地高度で規制が考えられている点に注意し、離陸点の元々の高度が高いところから飛ばす場合は、特に気をつけるべきだ。

 

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映像作家コジロウ
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