縁もゆかりもない を考える


前置き

名古屋でサラリーマンをしていると、東京からUターンやIターンで来る人が多い。
新しく来たメンバーとする定番の会話が「なんでまた名古屋に?」である。

名古屋が出身地の人、大学が名古屋だった人、奥さんが名古屋出身など様々だが、Iターンで『縁もゆかりもない』と言う方がたまにいる。

かく言う私も出身の三重から近いというだけで、名古屋市も弥富市も、たいした所縁はない。

縁もゆかりもない とは?

この『縁もゆかりもない』の縁、ゆかりとはどんな言葉なのか、ふと気になった。

この語の意味は「関係性がない」である。
それを縁とゆかりに分けるとどんな意味か。

調べたところ、なんと両方とも大差ない同じ意味で、「なりたち、関係性」であった。

つまり、縁もゆかりもないというのは、「縁」がなく、さらには「ゆかり」も無いという構造ではない。

『「縁」がない。そう、「縁」がない。』
と言う二回も同じことを打ち消す否定なのである。

相当、関係性がない状態なのだ。

関係性がない範囲は?

さらに気になった。
関係性がないことを指す言葉だが、自分、親、親戚、友人など、誰の範囲までを指す言葉なのだろうか。

・生まれ故郷が名古屋のAさん
・生まれ育ちは東京だが、親は名古屋出身のBさん
・生まれ育ちは東京だが、いとこは名古屋に居るCさん
・友達と名古屋に遊びに来たことがあるDさん

上記のうち、名古屋に「縁もゆかりもない」のは誰なんだろうか。

Aさんは間違いなく縁がある。
Bさんは本人にたいして関係性がないのだが、親が出身と聞くと、縁のある人として普段は扱う気がする。

C、Dさんはあまり縁があるとは扱わないだろう。

本人または親、兄弟までの範囲、と言うのが感覚的な範囲だろうか。

親、兄弟まで含めて本当に「縁」が無かったのかはなかなか難しい。
親が過去にどんな地で過ごしたのか、正確に知らない場合もあるだろう。

そういう意味で『縁もゆかりもない』と二回も否定するほど関係性がないことを言うのは相当大変なことである。

 

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映像作家コジロウ
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