ミスをするな!は無理だから。


二度とミスするな!は、担当を追い詰めるだけの無能上司のやること。

人間がやる限り、作業のミスは起きる。
「絶対にミスするな!」と担当者だけを戒めるのは、たいした解決にならないし、さらに追い詰めてミスを起こさせるだけ。
一人がミスしたことをチェックし、訂正できる組織的なフローを考えるほうが、よほど建設的で安心である。
担当がミスしたことに「二度とミスするな!」しか言わず、自分の承認ミスや、組織的な改善策を出さない上司は無能のバカだ。

広島の悲しい事件から

広島の中学生が、万引き事実の誤記載で命を絶ってしまう事件が起きた。
万引きをしていない生徒の内申に、万引きしたと誤記載があり、高校の専願資格が奪われ、思い詰めて命を絶ってしまった。

この事件、誤った過去の犯罪記載が発端となったようだが、このような担任一人の過ち(記載ミス)はあってはならない。
でも、人間が手でやる作業には必ずミスが起きるリスクがある。
ミスのリスクに対するチェック手段を重視するのは、会計監査でも常識の考え方である。

ミスに気付くチェック手段

広島の事件における内申書や、会計監査における財務諸表に繋がる基礎数値などは、特別にチェックが必要な書類である。

ミスを防ぐには、様々な手段がある。
・担当を分ける(権限分掌)
事実を把握した担当と、記録する担当を分ける。
例えば、万引きの事実を確認した担任が、上司に報告し、内申書に記録するのは上司が行う等。
思い込みや手違いで記録するミスが減る。
担任一人の不正も防止できる。

・組織内レビュー
これは広島の事件でも実施はあったようだが、定期的に記録内容を複数の担当でレビューし、誤りを発見する手段。
広島の学校では、ある先生は誤りを指摘したようだが、修正が反映されなかったそうだ。
レビューの運営に問題がある。

重大文書であれば、その場で直す。その場で直せない場合は議事録や修正台帳に管理し、確実に修正されたかを管理者が確認するフローが必要。

「担当が忘れる」も起きて当たり前のリスクである。
「忘れずにやってね」なんて管理は、上司が無能。

・証憑の添付
記載を裏付ける証憑を添付するのも有効な手段。
サラリーマンの出張費申請には、領収書添付が必要なのがそれ。

証憑を複数の目で確認することで、後からミスに気づく可能性が高まる。
「万引きしたって警察に聞きました」だけで事実記録してしまっては、思い込みや記載ミスに後から気付けないし、将来的に「やった、やってない」を明確にするのが困難になる。

店からの通知文とか、警察からの補導記録など、誰がいつ、何をしたかを証明する書類が添付されていれば良かった。
また、証憑の無い記載が出来なければ、不正もできない。

・外部レビュー
外部監査に通じるが、組織内だけでチェックしていては気付けないこともある。
重大な事項は、それを切り出して外部監査にかけるべきである。
広島の事件も、店や警察、親との事実確認が当時にあれば良かった。
親に内緒で進めたって、いつかバレるのだから、無用な配慮だと思う。

まとめ ミスを防ぐ手段を

ミスをするな!と言っているだけでは、効果は薄く、何も対策していないのと変わらない。
組織としてどうすればミスに気付けるのか、訂正できるのかと言うところに知恵を絞るべきである。

 

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空撮映像作家コジロウ
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