効率良い文字コミュニケーションが産んだもの


効率が良いだけの文字コミュニケーションが産んだものが、昨今の生きにくいギスギスした社会なのかもしれない。
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百万さんのブログ記事を読んで思った話。
http://hyakumanga.com/16jan07/

遠い昔の、まだ対面で会うしかコミュニケーション手段が無かった時代から、「電話」が登場して会わなくても話ができるようになった。
そして今や、メールとWeb、SNSなど文字でのコミュニケーションが伝達手段のほとんどを占める。

文字だけのコミュニケーションにおいて、「短くて効率が良く主旨が読み取れて、ユーモアも人情もある」素敵な文章が一番良いのは間違いない。

でも、毎回全ての文章でそれを達成するのは難しい。

特に日本の文化は「ユーモアと人情」に溢れるコミュニケーションをするためには、回りくどくて結論をオブラートに包んだ奥ゆかしい表現が不可欠であるから、欧米的なストレートで主旨が分かりやすい文章と真逆であり、バランスを取るのは、かなりの文章力と時間がいる。

だから、特にビジネス文章においては「ユーモアと人情」は捨て、結論を簡潔に伝える文章がほとんどになる。

私はいままでこれが正しいと思ってきた。
ビジネスにおいてユーモアと人情は会った時に伝えて形成するもので、文字でのコミュニケーションは効率的で簡潔にするのが先決であると。

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しかし、ふと思った。
社会がなにかギスギスして楽しくなく、人間味の無い政治家が支配し、大企業がとんでもない問題を起こし、正論だけの誰も特をしない規制がはびこる。
これは、対面コミュニケーションが激減し、効率を求めきった文字コミュニケーションが産んだものなのではないだろうか。

冷徹で人間味の無い人が増えているわけではなくて、「会えばいい人なんだけど、文字では結論バシバシ言って厳しいよねー!」と言うことを繰り返した結果なんじゃないだろうか。

電子メールが産まれた時に予兆が始まり、「会えばいい人なんだけど」がまだ保てた時代から、ネット記事とSNSで文字だけが広範囲に拡散する時代になり、会うこともなく「厳しい正論」だけが広まる時代になった。

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文字データの伝送コストは格段に下がり、高度経済成長期も終わった。
次は、生きやすく楽しい、足るを知る社会になる必要があると私は思っている。

短くて効率的な文字コミュニケーションを卒業し、会うことがなくてもユーモアと人情が伝わる表現に重きを置く必要性が高まってきているのかもしれない。

一見無駄に見えて、ダラダラと横道に逸れつつも、とても優しくて楽しい文章を、互いにそれなりに時間をかけてやり取りする。
そんなゆとりあるコミュニケーションが、生きやすさをサポートしてくれるのだろう。

 

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空撮映像作家コジロウ
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