なんでその主張は正しいのかを聞くための観点 「アサーション」【監査技術の応用】


前回に続き、会計監査やシステム監査の業界で得た使える知識を紹介していく記事シリーズ。

今回は、「アサーション」

これは、「正しいよ!」と言ってきた人に対し、なんで正しいのかを聞くためにチェックすべき観点6つである。

アサーション
1.実在性 : ホントにあったことなの?
2.網羅性 : 全部漏れなく申告してる?
3.評価と期間帰属 : 対象にしてる期間に起きたこと?
4.権利と義務 : 自分に権限がある範囲の話をしてる?
5.表示と開示 : 開示のルール守ってる?

内部統制監査では、経営者が出した監査証憑に対して、この観点を意識して、それぞれに問題がないかを確認していくと、『確かに正しそうだな』という監査人の心象にたどり着く。

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これ、システムエンジニアリングだと、テスト計画あたりで使えると思う。
限りあるリソースの中で、「どんなテストをどこまでやり尽くすのか?」って良く議題になるはず。
この時にアサーション6観点で語れば、だいたいの事項を話し切れる。

例えば。
1.実在性
→業務的に良くあるパターンだけに絞るか、起きないパターンも作り込むか。
2.網羅性
→全てのパターンでやり切るか
3.評価と期間帰属
→日次・月次だけか。年次もやるか。数年分やるか。
4.権利と義務
→どんなユーザ権限を想定してテストするか。
5.表示と開示
→守らなくてはならない結果は?成果物は?

といったところ。
6つの観点に沿って検討の話を深めていけば、検討漏れを防ぐことができる。

あとは、何かしらの問題報告の場で、部下やベンダー等の主張を検証するときとか。

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さらには、日常生活でも相手が正しい弁明をしているかを確認するときにも使える。

例えば、デートに遅刻してきた彼氏を疑う彼女の質問にだって応用できる。(ある意味、監査ですからね!)

彼氏「ごめん!仕事の急用で遅れちゃった!」
彼女「それは….
・実在性: ほんと?嘘付いてない?
・網羅性: 他には理由はないよね?
・評価と期間帰属:しょうがない急用だったの?いつ起きたの?
・権利と義務:断われなかったの?
・表示と開示:証拠みせてよ。私に言うことあるでしょ

彼氏「……嘘です。ごめんなさい。」

 

あ〜、アサーション理解してる彼女、怖い。

 

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空撮映像作家コジロウ
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