「失敗できない撮影」のための準備ノウハウ集


今週末は、お琴のコンサートの撮影があります。
それに向けて、今日は撮影機材の事前準備を行いました。

何度も実施してきた「失敗できない撮影」のための準備ノウハウを記録します。
プロの映像作家でなくとも、運動会を撮る親御さんとか、結婚式/発表会などの撮影を頼まれたとか、「失敗できない撮影」の機会があなたに訪れた時、参考になればと思います。

電源確保

何はともあれ、電源です。
バッテリーを複数本用意し、すべて満充電にしましょう。

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バッテリーを充電する

逆に言うと、満充電のままで保管はしません。
Lipo/Li-ionバッテリーは、満充電で長時間保管すると、バッテリーの劣化や破裂、火災につながることがあります。
撮影後は30%前後に放電して保管し、また次の撮影前に満充電にします。

また、バッテリーを複数持つ場合は、テープを貼ってラベリングを書きましょう。
電池に番号をつけるわけです。
ラベリングがないと、現場で同じ電池がゴロゴロあると、どれが使用済みで、どれが次に使う満充電のものかわからなくなるからです。
1番から順にラベリングしておき、番号順に使っていけば、今カメラについている電池の次の番号のものを交換に使えば良いとわかりますので、便利です。

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バッテリーに識別番号をラベリングして、現場で「使った電池、使っていない電池」を区別する。

あとは、電池の他に、電源タップ、充電器、充電器とカメラをつなぐケーブルなど、電源確保に必要な機材を用意しましょう。
予め、充電器類をタップに接続しておき、タップを現場でコンセントにつなぐだけにしておくのが、さらにスマートかと思います。

レンズ、撮影補助機材の準備など

カメラの命、レンズを磨きます。
撮影が終わり、撮った映像を見てみたら、レンズに指紋がついていて、白い靄のようなものがずーっと映り込み、全編使い物にならず!という失敗が過去にありました。
埃や指紋があるレンズはゴミと一緒です。まず撮影前に綺麗にしましょう。

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レンズを磨く。埃や指紋は厳禁ですぞ。

準備を終えた機材をカメラバッグに詰め込みます。
バッグも各種出ていますので、現場で使いやすいものに出会えるまで、ひたすら探しましょう。
私は、救急救命の現場で使われているカバンにヒントを得たという、ガバッと開くバッグ「reisenthel」がお気に入りです。
http://reisenthel.jp/detail/allrounder/allrounder.html

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お気に入りの機材バッグ reisenthel。ドクターバッグというか、救急の時に使うカバンの開き方らしい。

一眼レフムービーの場合は、防振や取り回しを楽にするリグ類を準備しましょう。
撮影のしやすさが格段に違います。
外部モニターも必須。

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リグと外部モニタも一式用意。

忘れてはいけないSDカード。
大容量のものをカメラにセットしておき、忘れないようにします。
それに加えて、予備のカードもいくつか持って行きましょう。
カードもいつトラブるかわかりませんからね。

SDカードを忘れた時のカメラは、ただの望遠鏡です。お忘れなく。

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一眼レフ用にはSDカードも予備で準備する。

今回はGoproも持って行きます。
面白い画角があれば使う予定です。
USB給電出来るので、モバイルバッテリーを補助電源に使う予定です。
これは初めての機材構成なので、お試し。

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Goproも充電。大容量のモバイルバッテリーも使える。

外部マイクは、ファンタム電源ではなく電池駆動の場合は、残量チェックを。
新品に交換しておくとか、これも充電池にして、満充電するとかもアリと思います。
意外と盲点で、現場に着いたらマイクの電池切れで、ロクな録音ができなかった失敗もあります。
(そういう時に限って、コンビニが近くになくて電池も買えない)

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外部マイクは、電池式のもののため、残量チェック。新品電池に変えても良い。

テープ記録の場合の準備

今回はSDカードではなく、テープ記録のカメラも2台使います。
miniDVテープを採用していますので、テープの準備も行います。
コンサートは2時間*2回なので、最低限、カメラ1台あたり60分を4本必要とします。
コンサートの準備や終了後の模様も撮影するでしょうから、5〜6本あれば安心でしょう。
急にテープがトラブって、予備に交換ということもあります。テープは多めに用意。
これを2台分用意します。

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miniDVテープを使用するカメラ。テープを最低撮影時間+α分で計算して用意する。

バッテリーと同様に、テープにも予めラベリングします。
カメラを複数台使うならば、カメラ名と通番を書きます。
1番から順に使い、記録済みと未使用を見分けるわけです。
ポスプロ(編集)段階の取り込みにおいても、いちいち中身を確認しなくとも、通番通りに取り込めば良いわけですから、楽になります。

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テープにもあらかじめラベリングしておく。タイトル、カメラ名、通番。現場で、順番通りにテープを入れ替えていく。

なお、使用済みテープは、現場で交換する際に必ず上書き禁止の保護爪をセットしましょう。
通番のラベリングがあるので間違える可能性は低いですが、交換する時には保護、を当たり前の動作にしておけば安心です。

最後に、三脚を用意します。
三脚には「フネ」という部分があります。クイックリリースプレートとも言いますが、カメラに取り付けるプレートのことです。
これを忘れる失敗がたまにあります。
別のカメラの底にフネをつけたまま、そのカメラは家に置いてきたりすると、その失敗が起こります。
フネはいつも三脚側に戻すことを心がけつつ、事前準備で三脚のパーツに不足はないか確かめましょう。

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三脚も忘れずに用意する。フネ(カメラを取り付けるプレートのこと)を忘れないように。

最後に

カメラの性能や編集ソフトの性能が飛躍的に向上し、誰でもいい撮影ができるようになりました。
それでも、プロと素人の違いは、「踏んできた場数」の差が出ると思います。
現場で起きるさまざまな事象に突発的に対応出来る準備があるか。
障害を乗り越える引き出しを持っているか。

これは現場で失敗して痛い目にあい、次からは起こさないための工夫とノウハウがあるから培われていくものです。

私もまだまだ経験は浅い部分はありますし、先輩は大勢いますが、それでも何年も「失敗できない撮影」に携わり、痛い目に遭って気づいた準備事項、Tipsたちです。
みなさんの撮影の参考になればと思います。

 

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映像作家コジロウ
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