プロジェクトのゴールや要件定義と言うと何やら難しそうだが、実はたった3つの条件、「コスト」「品質」「納期」を考えれば良い。
略してQCDと呼ばれることもある。(Q:品質、C:コスト、D:納期)
これをセットで考えない人がいて、無茶な要求やプロジェクト失敗につながる。
1つのプロジェクトにおいてこの3つの条件は相関関係にあり、どれか1つを優先すると、他のどちらかもしくは両方がダメになると言うふうに3つは一体的なものと考えれば良い。
極めて簡単に言うと、コストとは、お金をいくら掛けるかであり、納期とは、いつまでに欲しいのか、そして品質とはどんなものが欲しいのか、何をして欲しいのか、である。
例えば、納期を早めるためには、コスト(お金、費用)を掛けるか、納期を伸ばす必要がある。
コストを抑えるためには、納期を伸ばす(気長に待つ)か、品質を落とす(より簡単にする)ことになる。
何か特別なことがない限り、この関係性は必ず起きる。
しかしながら、品質も下げず、コストも抑え、納期も早いというクライアントからの要求がまかり通る。クリエイター側は、こういったことを断るべきだ。もしくはこの関係性を話し、いずれかに優先度をつけて交渉すべきなのである。
「もっと早くならないか」(納期)と言われたら、コスト増か品質交渉(多少の要件削除など)をしなければならない。
「こんな映像エフェクトできないの?」「CGや空撮もしてよ」という要求は、品質要求の追加であるから、コスト増か納期延期交渉となる。
これをうやむやにして追加で要件を受けると、クリエイター側は当然時間がかかるから納期延期かギャラ追加があると思うのだが、分かっていないクライアントは、ただ単に要件追加だけして、納期とコストに変更なしという人もいる。
ぜひクリエイターのみなさんは、この3つの条件を意識して制作にあたっていただきたい。
そしてクライアントになるかたは、何かクリエイターに頼む時は、この3つの条件に対する説明は必ずセットとなることを認識いただきたい。「納期は伸びていいから追加要件受けて。コスト増なら見積もり頂戴」「納期早くしたいけど品質は落したくない。コスト増はいくら?」など。
プロジェクトを進めるにあたって、要件変更があるのはよくあることである。
変更が出ることや、それを交渉することは決して悪いことでは無い。きちんと押さえるべき内容を押さえれば、みんなが納得して気持ち良く制作ができるのである。
納期短縮か品質追加だけを好き勝手要求し、ギャラの提示や追加はうやむや、と言うことをやると、それは実はぱっと見わからないところで品質が下がってしまうことになる。
以上、プロジェクトを大きく左右する3つの条件でした。