モノを買うより、「体験」へ投資することの価値


これまでの私の経験で、「モノ」を買うか、「体験」や「機会」への参加権を買うか迷ったときに、「体験」「機会」にお金を払った場合は、その料金以上に得るものがあったことが多い。
逆に、「モノ」にお金を払った場合は、もともと分かっていた価値と等価以上になることはなかった
何が得られるのか一見してわからない「体験」への投資。
迷ったら、体験に投資するのがいいと思う

 

一番このことを感じたのは、映像制作の学校へ通うことを決めたとき。
22歳ぐらいの時だったと思うけれど、当時、私はなんとなく映像制作を本気でやりたくなった。

「まずは機材だろ」と思っていたので、本気のビデオカメラを買うため、探した。
15~20万ぐらいから買えることが分かった。
今となっては安い価格帯のカメラと思うけれど、本当にやれるかどうかもわからない映像制作のとっかかりに15万のカメラの購入は、簡単には決意できなかった。

そんなときに、映像制作の学校のカリキュラムの1つに、20万程度で土日だけの映像制作の入門クラスがあることが分かった。
しかも、やりたかったミージックビデオの制作クラス。

ビデオカメラという「モノ」を買えば、確実に仕様明細に書かれている性能のカメラが手に入る。
しかし、カメラはあっても、映像制作が本当にできるかは無関係。
機材が手元に来るだけである。

映像制作の学校に通い、同志に出会うこと。
これは、何も保証はされていない。
もちろん一通りのことは教えてくれるが、自分の身につくかは分からないし、聞いたことが好みではないかもしれない。
同志たちだって、気が合わないかもしれない。

それでも。
逆のことがいえる。
めちゃくちゃ貴重な気の合う仲間に出会い、またと無い制作のチャンスに恵まれ、多くのことを得るかもしれない。

こういうことを考えて、当時の私は、ビデオカメラの購入をやめて、学校に行くことにした。
20万円無くなった。
しばらく機材は買えなくなった。

しかし。
結果的に、その後何度も映像制作を共にする仲間に出会うことができた。
とても有名なCMを作った先生の授業を受けた。照明の授業だったけれど、これは本当に目から鱗だった。
ビデオカメラも学校でレンタルできた。その間にライブビデオやBMXショーのビデオを何本も作った。

そして、学校の紹介で、当時インディーズだった、とあるバンドのPVを作ることになり、何度もやり取りして作り上げた。
本格的なアーティストと映像表現の話をして、楽しかった記憶がいくつもある。
いまや、オリコンランキングに入る有名なバンドになった。
テレビや店で彼らの曲を聴くたびに、当時の暑いロケの日を思い出す。

こうして、「ビデオというものを買うか」「学校という体験を買うか」を迷った私は、体験で得られることに賭けて行動し、投資額以上のものが得られたと思う。
結局、映像の学校で学んだことも後押しして、お仕事も発生し、学校を出てから買った15万のカメラ代ぐらいはペイできた。
学校に行かずにカメラだけ買っていたら、ただの趣味の人で、使う機会もあまりなかったかもしれない。

それ以来、迷ったら「モノ」より「体験」に投資するようにしている。
「モノ」は、手に入れても、作り手が決めた価値以上のことはそうそう得られない。
「体験」や「機会」への参加権を買った場合は、提供される価値を、自らの行動や意思で何倍にも増幅できるからだと思う。

なんとなく、得られる価値が保証される「モノ」に投資してしまいがちだと思うけれど、行動したい人はぜひ「体験」や「機会」に投資してはいかがだろうか

 

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空撮映像作家コジロウ
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